コミュニティ参加がキャリア形成に与える影響

本記事は、DevRel Advent Calendar 2019 5日目向けに書いた内容です。

adventar.org

また本記事は、DevRel Meetup #48 〜DevRelと転職/採用〜で登壇した内容を一部編集してテキスト化した内容でもあります。当日の様子は、「#DevReljp @devreltokyo #48 〜DevRelと転職/採用〜 at #TAM 公式ツイートまとめ - Togetter」にまとまっています。


私は開発者向けSaaSのセールスを担当しています。現職に至るまでの経歴を、「DevRel」や「コミュニティ」とのかかわりについて考えながら振り返ってみました。

まず、セールスということで、DevRelとどんな関わりがあるのか?と思われたかもしれません。実際のところ、私は業務で直接的にDevRelに関わっているわけではありません。しかし、開発者向けのサービスを担当しているので、開発者の考え方や文化を理解し寄り添えるよう日々活動しています。

私は最初の職種はプログラマーでした。いまはもうセールスの期間のほうが長くなりましたが、私の経歴はプログラマーとしての経験に加え、コミュニティへの参加やDevRelとの出会いに大きく影響をうけています。本日は私のキャリアについて「転職や採用」というテーマにからめてお話できればと思います。

あらためて私のキャリアは、最初はプログラマーでした。受託開発の会社で組み込みとWebで、C++JavaPHPなど、それぞれ少しずつ経験しました。だいたい2年くらいプログラマーを経験したのですが、当時所属していた会社に案件があまりなく、プロジェクトにアサインされない時期が続きました。そんななか、会社が展示会に出展する機会があり、私がディレクションを担当しました。展示会の円滑な進行を行い、かつリード獲得目標を達成したこともあり、次第に営業活動を行うようになりました。その後は外資系ベンダーへの出向などを経験した後、新規開拓営業を担当することになりました。十分に仕事にある会社にいたら、きっと今とは違ったキャリアになっていたと思います。

思い返すと最初に担当した展示会出展が私にとってとてもよい経験でした。自ら企画して外部に情報発信できる楽しさがありました。簡単なデモを開発することもできました。仕事がある、自分で仕事を作れる楽しさも感じていました。加えて、私はもともと勉強会という文化や社外での活動に興味をもっていたこともあり、積極的に社外の活動に参加するようになりました。コミュニティへの参加が増えていったのです。

私はコミュニティを通じて、IT業界の幅広さ(狭い業界とは言いつつも、ほんとうにいろんな会社がある)や技術にふれる楽しさを知りました。自社に閉じこもっているだけで、あるいはインターネットで検索したり記事を読むだけでは感じられなかった「おもしろさ」でした。Meetupに参加されているみなさんであれば感じたことがあるんじゃないかと思いますが、オフラインで同じコンテキストを持った人同士で交流できるのと学びも多くて面白いのです。このころから社外で積極的にアウトプットしたり、交流したりする文化を好み、重視するようになりました。

ここまでに挙げた私のキャリアを振り返ると、「DevRel エンジニアフレンドリーになるための3C」で紹介されている3Cである、Code、Contents、Communityを偶然たどるものでした。いい流れでDevRelに出会えた気がします。

ここからは3Cのなかで、最も自身のキャリア形成に影響を与えた「Community」について話したいと思います。

コミュニティのなにがよかったのか、という点をすこし掘り下げてみます。

なかなか会えない/会うきっかけのない人と出会える

Tech系のコミュニティであっても開発会社だけでなく、事業会社の人とも多く出会えます。これが(特に当時受託開発会社にいた私にとって)とても面白い経験でした。共通のテーマに対しても、視点や悩みが違うことをフラットな感情で知れました。開発会社対お客様という関係ではなかなk得にくい感覚だと思います。

コミュニティに参加している方はなにかしらの課題を解決したい場合が多いと思います。会社・業界が違っても同じような課題を抱えていたり、あるいは全く違う課題を抱えていたり。そういう方と話すだけ面白いし、自分の仕事にも役に立ちました。

またコミュニティによっては開発者以外とも出会えます。デザイナーやライターなど、幅広い職種の方と話ができる場にもなりえます。ちなみに私は、ハッカソンで出会った人と、数年後に同じ会社で働くことになった、なんて経験もあります。

関係は対等

コミュニティにもよると思いますが、参加者同士は基本的に対等な関係である、あれると思っています。セールスをしているときの対顧客という関係とは違うかたちで関係性を築けます。共通のテーマに興味を持ち、コンテキストを共有している集まりなので、関係構築がやりやすい印象があります。またそういうコミュニティが好きで、参加しています。

アウトプットすると反応が返ってくる

社内で情報展開しても雑談にすらならなかったようなテーマが、コミュニティだと盛り上がる。話が発展する。という経験を何度もしました。アウトプットすると、なにかしら反応を得られます。単純に楽しいし、自分にとってプラスになります。

新しい働き方を考えるきっかけになる

幅広く外部の情報にも触れていると、自然と今後の働き方を考えるきっかけにもなります。

  • 現状に不満がある場合

    • 解決策を考える/見つけるきっかけになる
    • 世間は広いので新しい環境にチャレンジするのもいいなと思うきっかけになる
  • 現状に不満がない場合

    • よりよいやり方を考える/見つけるきっかけになる
    • 自分の将来を考えるきっかけになる

自然と転職を考えるきっかけになる可能性もあります。

私自身は、DevRel Meetupを含むコミュニティ活動が直接的な転職のきっかけになった経験はありませんが、自分がどのように働きたいかを考えるきっかけにはなりました。コミュニティでの活動やコミュニティで出会った人たちに大きく影響を受けています。

ちなみに、以下の3つが、現時点での私のキャリア形成の軸になっています。

  • BtoB/BtoCを問わずにテクノロジーを活用したビジネス(特にSaaS)を通じて、課題解決をしていきたい

  • コミュニティを通じてビジネスを伸ばしていきたい

  • 関係者全員とWin-Winの関係を築いていきたい

これらを言語化できたことは大きかったです。いまの仕事はこれらを満たせるサービスと環境なので、うまくやっていけてるなと感じています。

私はコミュニティへの参加からいろんな経験ができて、また良い影響を受けてきました(受けてきた、と思っています)。そのなかで出会った「DevRel」というテーマは、自分がやっていきたいこととマッチすると感じているので、今後も自社サービスのコミュニティやDevRel Meetupを通じて、いろんな取り組みをしていきたいです。

当日のスライド

おまけ

最後に「コミュニティ」や「転職/採用」に対する気になりについて。私は以下のテーマに興味をもっています。

  • ジョブボードをもっと活用できないか
  • 「We are hiring!」スライドの効果はあるのか

「ジョブボードの活用」に関しては、DevRel Meetup #48 で池原さんが「ジョブボード経由で転職した」話をちょうどされていて、しっかり活用されている場があることを知れました。私ももっと活用していきたいです。

「『We are hiring!』スライドの効果」に関しては、@ayatokura さんのツイートに、このスライドをきっかけに採用していること知ったというリプライがついており、一定の効果はあるんだと感じました。

どちらも活用されていることがわかり、今後も懲りずに活用していこうと思えました。

以上です。